POTS

POTS(Postural Orthostatic Tachycardia Syndrome)
=起立性(体位性)頻脈症候群

POTS(起立性頻脈症候群)は起立性調節障害の一型と考えられていますが、小児のみならず成人にも見られる症候群です。立ち上がって歩き出すとふらふらする、動悸や胸痛がある、尋常ではない疲れやすさがある、頭がぼーとするかんじ(Brain Fog)がある等が主症状ですが、腹痛や嘔気、下痢、頭痛、睡眠障害も併存症状として頻繁に認められます。時に日常の活動性に大きな障害をもたらす症候群ですが、一般社会のみならず医学界にも認知が低いことが現状です。 当院ではこの症候群に臨床的および学術的な関心を寄せています


初診には時間を要するため、電話予約📞03-3426-8253 をお願いします。

<原因>
① 自律神経障害を来す脳神経疾患や糖尿病が基礎疾患にある方は二次性POTSの可能性があります。しかし基礎疾患のない本来元気な10代後半(いわゆるYoung Adult世代)から発症することも多くその原因は不明です。病態も起立性低血圧症の亜型という考え方からその差異までいまだ議論の余地があります。
② 外傷後(交通事故やスポーツ等による受傷)にPOTS症状が現れる場合は脳脊髄液減少症との鑑別が必要です。
③ 精神疾患や発達障害を併存している場合は慎重な鑑別を要します。服薬内容によりPOTS症状の増悪を来している場合もありますが、疾患として脳内神経伝達物質の機能不全が症状を増悪させていることもあると考えられます。

<発症の契機>
インフルエンザやウイルス性上気道炎、EBウイルス感染症、急性胃腸炎などが契機になることがあります。これらの感染症後のPOTSは自己免疫疾患としての自律神経障害の一部である可能性を指摘されています。しかしはっきりとしたきっかけが本人にも思い当たらず、同居の家族から見て「寝てばかりいる、横になってばかりいる」ところが始まりであることも多いといえます。
また、過大な身体および心理的ストレスや不安も脳内神経伝達物質機能に異変を来たす一因となります。POTS発症、もしくは症状の増悪に関係していると考えています。

<診断>

一般的な診断基準 

① ヘッドアップチルト試験(HUT)や起立試験(AST)10分以内に 心拍数が30bpm以上上昇する(20歳未満では40bpm以上)。
② 起立時に血圧の低下がない。
③ 起立時に症状が悪化し、横になると症状が軽減する。
④起立時の症状が6ヶ月以上持続する。

当院ではまずは内科的基礎疾患の有無を検査し除外した上で、起立試験(AST)を行います(HUTはできません)。起立試験は日内の時間帯によって検査の結果に変動があることも多いため、一度の検査だけでは確定診断には至らない場合もあります。

<重症度のめやす>
1週間単位でどの程度の活動性が保てたかを重症度の目安と考えます。受診の際に詳しくお伺いします。

<治療>
POTSには治療ガイドライン相当のものが存在していません。 
当院では患者様各々のPOTSのサブタイプ、日常生活への困難度を考慮した上で、生活指導(運動処方も含む)と薬物療法を試みます。
二次性POTSが疑われ基礎疾患の精査を必要とする場合や、重度であり入院加療を要すると判断した場合は連携する高度医療機関にご紹介します。
当院では保険診療外のサプリメント等を販売・推奨することはありません。